【教材としての映画②】ALWAYS 三丁目の夕日
歴史授業も終盤。
高度経済成長期をリアルに描き、これほどまでに生徒の興味をそそる映画はありません!
昭和33年(1958年)の東京の下町を舞台とし、夕日町三丁目に暮らす人々の温かな交流を描くドラマ。
そもそも、この映画がなぜ授業で使えるのかは大きく3つのポイントがあります。
1 東京の街並みの隅々に、復興と成長を感じる!
この作品、とにかく再現度がハンパない!!VFXの名手 山崎貴監督ならではの高度な技術により、本当にリアルに高度経済成長期の東京が表現されています。
再現されたのは戦後から復興しつつある当時の街並み。建設中の東京タワーや上野駅、蒸気機関車、東京都電など。とくに、この作品は東京のこどもたちにとっては、今の街並みと比べることもできていいですよね。いちいち動画を止めたくなるほど、着眼点が多く飽きません。
2 収集に大きな苦労を感じる 小道具・大道具
またまた言いますが、この作品は再現度がハンパないのです!
それは小道具・大道具に至ってもです。古い家の蔵などに眠っているであろう、昭和初期の家財道具や家電をとにかく集めたんだろうなと、感心します。1の景色と同様、いちいち止めて説明したくなっちゃいます。
そんな中で、私が授業で必ず動画を止めて解説するのは、「三種の神器」。
特に「冷蔵庫」「白黒テレビ」のシーンは作品でも象徴的に描かれています。
「白黒テレビ」購入は、ご近所さんがお祝いに集まるくらいの一大イベント。当時の価値で100万…めっちゃ高級品…そりゃぁ、近所からは「奮発したなぁ」「えらいことだ」と思われるでしょうね(;^ω^)
ALWAYSで、私も大好きなシーンなのが、30人近くが小さなテレビの画面にかじりついて力道山のプロレスを観戦するシーン。彼らの興奮度合いがよく伝わってきます。
あの描写の仕方は演出の素晴らしさも感じます。
もうひとつの家電は、「電気冷蔵庫」。
主人公の1人、六ちゃんが腐ったシュークリームを食べ腹を下したのをきっかけに、電気冷蔵庫の購入を決める鈴木一家。
この作品では、氷を利用して保存する旧タイプの冷蔵庫も登場し、その氷を売る人も登場します。電気冷蔵庫の登場で捨てられる、旧式冷蔵庫と氷屋さんのなんと切ないことか…(;´Д`)
3 高度経済成長期の本当に日常を描いていること
当時の人々が、どんなものを食べ、どんなものを着ていて、どんな遊びをしていて、そしてどんなものに喜怒哀楽していたのか…戦後の特別ではない、本当に日常の一幕を切り取っている所が、何よりの教材なのです。
私は、あまりにALWAYSが良すぎてDVDまで購入してしまいました( *´艸`)
続編もあるのですが、やっぱり、最初の作品がいいなぁ。淳之介と茶川の涙なしでは見られない感動シーンもいいのですが!そこまでみせると授業が進まないので、途中まで…でも、本当にオススメです!!