【教材としてのマンガ②】応天の門
平安時代って、その印象がすべて「藤原氏」になってる人多いですよね。私ももちろんそうでした💦
でも実際、藤原道長、頼道の時代を筆頭に、藤原氏の摂関政治による影響は多大で、「藤原氏」であるかどうかで、生き方が変わるともされた時代からしたら、外すことのできないキーワードですからね。
そんな「藤原氏一色」の平安時代の様子が、凸凹コンビニよる痛快ミステリーマンガで楽しく読めちゃうのが 灰原薬 さんの「応天の門」です!
主人公は、遣唐使を廃止、藤原氏に目をつけられ、九州·大宰府へと左遷され不遇の死を遂げた「菅原道真」(作中は学生身分の時代で描かれる)。
そして歌の名手とされ、「六歌仙」にも名を連ねる「在原業平」。
『ちはやぶる 神代も聞かず竜田川 から紅に水くくるとは』
宮中の様々な事件を、道真が豊富な知識と探究心、調査で解決していく物語なのですが、稀代のプレイボーイ業平と学問にしか目がない浮世離れした道真の凸凹具合がなんとも面白い!
さらに、かれらの生きた平安時代の貴族たちのドロドロの関係や政治のやり方にも目が離せません。
ついに1月から、新大河ドラマ「光る君へ」が放送開始!紫式部を主人公として描きますが、平安時代ど真ん中の大河ってこれまであったかなぁ、と思うくらい珍しい時代選考ですよね('ω')
今回紹介した応天の門とは少しだけ時期はずれるのですが、同一人物たちがたくさん出てきますので、マンガと大河を合わせて楽しむのもいいかも~♪
【教材としての映画③】おいしいコーヒーの真実
世界地理の勉強では、コーヒーが盛んに作られている地域をいくつか勉強しますよね。
北緯25度~南緯25度までの範囲はコーヒー産地が多くあることから、
『コーヒーベルト』と呼ばれています。
現在、コーヒーの消費量は世界的にもどんどん上がっており、日本国内では近年、お店で飲むだけでなく、自分でドリップすることを楽しむ、“本格さん”も増えています。
かく言う私も、好きな豆をガリガリと挽き、香りを楽しむ、憧れのコーヒーメーカーを最近購入し、休日を楽しんでいます!(^^)!
さて、そんなコーヒーですが、実際の授業では「輸出」の部分に着目し、
「モノカルチャー経済」という重要な語句を学んでいるはずです!
モノカルチャー経済って何が悪いの?
このままだと何がダメなの?
モノカルチャー経済になりやすい国ってどんな国?
いろんな疑問の解決に一役買えるのが、
「おいしいコーヒーの真実」というドキュメンタリー映画。
エチオピアのコーヒー農家を舞台に、生産者、仲介業者、小売店、そして消費者へとコーヒーがどのように私たちの口に入っているのか。そして、その真実を知ることができます。
もちろん、授業で習うモノカルチャー経済の話題にもなりますし、
「フェアトレード」の話が最終的に大きなポイントになってくるので、子どもたちが、日常生活の中で、未来の世界のことを考え行動できるキッカケづくりにもなるのではないかと思います。
吹き替えモードなしの字幕のみ、なので、ちょっと中学1年にはきついかなぁ~(*_*; ではありますが、大人がみてもハッとさせられる1本です!
【大事なことは足元から②】お店で教材集め♪
公民分野 経済の授業で登場する「株」の話。
余談ですが、株っていいって聞くけど、なかなか手出しずらいですよね~(;^ω^)
さて、この株ですが、教材はお店で集まります。
何気なく買い物で入ったお店の入り口やレジ横に、「株主になりませんか?」などと書かれたチラシがあることが度々あります。
私も実際に手に取って、持ち帰ったものに長崎ちゃんぽんで有名な「リンガーハット」さんなどがあります。これは偶然でした。
チラシではなくても、企業のHPなどで簡単に株主情報が出ています。
中学生にとって、分かりずらい株の話ですが、株式会社の仕組みを教えるのに、まずはこの「株主」や「株主優待」のことから話始めるのは、かなり導入としてスムーズです。
もちろん、優待の制度や手厚さを強調してしまうと、中学生だと単純に
「こっちの方が待遇がいいぞ」とか「サービスいいなぁ」って発想になってしまうかと思うのですが、それもチャンス!
多くの人が株主になって企業を応援することで、その待遇や配当金も増えるということにつなげれば、その生徒の発言も実はいいきっかけになったり。
お店を回りながら、チラシやポスターに着目してみるのも意外と発見があるかもしれませんよ(゚д゚)!
【教材としての映画②】ALWAYS 三丁目の夕日
歴史授業も終盤。
高度経済成長期をリアルに描き、これほどまでに生徒の興味をそそる映画はありません!
昭和33年(1958年)の東京の下町を舞台とし、夕日町三丁目に暮らす人々の温かな交流を描くドラマ。
そもそも、この映画がなぜ授業で使えるのかは大きく3つのポイントがあります。
1 東京の街並みの隅々に、復興と成長を感じる!
この作品、とにかく再現度がハンパない!!VFXの名手 山崎貴監督ならではの高度な技術により、本当にリアルに高度経済成長期の東京が表現されています。
再現されたのは戦後から復興しつつある当時の街並み。建設中の東京タワーや上野駅、蒸気機関車、東京都電など。とくに、この作品は東京のこどもたちにとっては、今の街並みと比べることもできていいですよね。いちいち動画を止めたくなるほど、着眼点が多く飽きません。
2 収集に大きな苦労を感じる 小道具・大道具
またまた言いますが、この作品は再現度がハンパないのです!
それは小道具・大道具に至ってもです。古い家の蔵などに眠っているであろう、昭和初期の家財道具や家電をとにかく集めたんだろうなと、感心します。1の景色と同様、いちいち止めて説明したくなっちゃいます。
そんな中で、私が授業で必ず動画を止めて解説するのは、「三種の神器」。
特に「冷蔵庫」「白黒テレビ」のシーンは作品でも象徴的に描かれています。
「白黒テレビ」購入は、ご近所さんがお祝いに集まるくらいの一大イベント。当時の価値で100万…めっちゃ高級品…そりゃぁ、近所からは「奮発したなぁ」「えらいことだ」と思われるでしょうね(;^ω^)
ALWAYSで、私も大好きなシーンなのが、30人近くが小さなテレビの画面にかじりついて力道山のプロレスを観戦するシーン。彼らの興奮度合いがよく伝わってきます。
あの描写の仕方は演出の素晴らしさも感じます。
もうひとつの家電は、「電気冷蔵庫」。
主人公の1人、六ちゃんが腐ったシュークリームを食べ腹を下したのをきっかけに、電気冷蔵庫の購入を決める鈴木一家。
この作品では、氷を利用して保存する旧タイプの冷蔵庫も登場し、その氷を売る人も登場します。電気冷蔵庫の登場で捨てられる、旧式冷蔵庫と氷屋さんのなんと切ないことか…(;´Д`)
3 高度経済成長期の本当に日常を描いていること
当時の人々が、どんなものを食べ、どんなものを着ていて、どんな遊びをしていて、そしてどんなものに喜怒哀楽していたのか…戦後の特別ではない、本当に日常の一幕を切り取っている所が、何よりの教材なのです。
私は、あまりにALWAYSが良すぎてDVDまで購入してしまいました( *´艸`)
続編もあるのですが、やっぱり、最初の作品がいいなぁ。淳之介と茶川の涙なしでは見られない感動シーンもいいのですが!そこまでみせると授業が進まないので、途中まで…でも、本当にオススメです!!
【社会科授業のホンネ】社会科は勉強しなくてもいい
いきなりブッこみましたね。かなり異端な発言(笑)(;^ω^)
でも、半分くらいは常に感じていることではあるんです。
なぜなら、社会科こそ、日々の生活に密着していて、教科書がなくても生きた学びがたくさんある教科だと思っているからです。
様々な機会やチャンスがあれば、いくらでも学べるのが社会科です。
ところでみなさん、旅、してますか?
旅行は良いですよね~。遠方ではなくても、身近なところでもいいんです!旅こそ、五感を使って学べる、最高の学習方法だと考えています。本で見たり、映像で見たりするよりも、全てを生で体験するに勝るものはありません。
教員のみなさんこそ、旅行はすすんでいくことをオススメします。
さらに、歴史に関しては、研究や調査が進み、日々変化することがある分野です。
本、TVなどその情報源を多岐に巡らせ、広い視野をもつことが歴史において必要なことだと考えます。
ちなみに、3年で一周して、また1年生に戻ると教科書の内容が微妙に変わっていたりして、「えぇ!?」ってなることもありますよね(´-ω-`)
と、ここまで生きた学びの話をしてきましたが、どうもこれには当てはまらない分野があるのです。
それが、「公民」です。
公民は社会人として学ぶべきことが多く、体験しながら得ていくことが難しいと感じています。例えば、犯罪を犯してから、「あぁ、こうなると裁判なのか」なんて、人生台無しですよね。
公民こそ座学でしっかり学習させ、ある程度の知識を享受した上で、義務教育を卒業させたいものです。
18歳からの選挙権に引き続き、成人年齢の引き下げ。
低年齢化する様々なきまり・制度の中で、こどもたちが一度きりしかない人生を、より豊かにするための手助けを授業で展開したいものですね。
【教材としてのTV番組①】『世界ふしぎ発見』で古墳時代!
TV番組の中には、授業で参考にできる、資料となる番組が数多くおりますよね!
私は常に10番組ほどを録画しておき、あとから見直して使えそうなものをpickupしています(^^♪
その中から、今日はTBSで長年放送されている「世界ふしぎ発見」から1本ご紹介します!!
2020年8月1日放送
日本のポンペイ!?
ヨロイの古墳人が語る古代群馬の謎
です。(リンク→バックナンバー|TBSテレビ:『日立 世界ふしぎ発見!』)
2019年に世界遺産に登録されたことで、歴史の授業でもサラッと流されていた時代区分No1だった古墳時代が、かなり注目を浴びるようになりました。
正直、私も古墳時代がこんなに面白い時代だったとは知りませんでした。それを教えてくれたのが、この番組。
話の中心は群馬県!
日本一古墳があり、ヤマト王権(「大和朝廷」と書いて呼ぶのも、もう古い!)とも結びつきがあったとされ、目からウロコの情報が盛りだくさん!
番組は「鎧の古墳人」と呼ばれる、古墳時代の人骨発見の話題から始まります。そこから、顔を再現。その人物のルーツを探る中で、近畿地方にあったとされる「ヤマト王権」と群馬の結びつきを紐解いていくという内容です。
古墳がなぜ作られたのか、ヤマト王権の政治支配、交易など、内容が本当に充実!
中学生がみても、飽きない面白さがあります。
あと補足すればいいのは、祭祀に使用された青銅器などの話や埴輪の話くらいでしょうか。
授業の補足資料として、かなり内容の素晴らしいTV番組です。
きっとあなたも、古墳にこ~ふんしますよ(笑)
【大事なことは足元から】「みどり」に目を向けよう!
小学校低学年時、社会は「生活」という科目として、「社会」の要素と「家庭科」の要素も含み授業が行われています。
むしろ、社会というよりは、『身近なもの』に焦点を当てて展開されている印象がありますね。
学年が上がると、より学習内容は知識を問うものが多くなりますが、やっぱり本質は「自分の身近な存在から学べる社会的感覚」じゃないかと思うわけです。
そこで、身近なものから、こどもたちの「気付き」をたくさん与えられる「大事なことは足元から」シリーズも始めていきます!
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さて、今回は中学1年 地理で最初に学ぶ、「気候区分」についてです。熱帯、温帯などの気候帯名、ツンドラ気候やステップ気候などの気候名、覚えますよね。
これは、ロシアのケッペンという気象学者が提唱した気候の分け方です。ケッペンは環境、特に植生(植物の成長の仕方やその生息している場所)と気候の関係に関心を示し、気温が植物の成長に及ぼす影響を専門的に学びました。その結果、気候区分が作られ、その偉業から「近代気候学の父」と称されています。
ただ、教科書には「ケッペン」の名前は強調して書かれてはおらず、なんなら、ケッペンが重要視していた「植物との関係」もあまりフューチャーされてない感…( 一一)
資料集などでは、どんな植物が自生しているのかをイラストで表しているものが多いですが、もっと、気候と植物の関係性を押していく必要があるのではないかと考えます。
植物の種類や自生の仕方が、ゆくゆくは人間の衣食住にも大きく関係するのですから。
そこで、気候と植物との関係をよりわかりやすくするために、授業でこんな話題をしてみてはいかがでしょうか。
「自分たちの住むまちの木は、どんな木が多いかな?」
森や林が多い地域の学校ですと、すぐにこどもたちから「スギ」「松」「もみじ」など発言が出そうですね。
都心のこどもたちでも、公園の木やよく道でみかける。おじいちゃんの田舎では…なんて話もできるはずです。
自分の住む地域の植物の自生の特徴を考え、自分たちの住む地域の気温や降水量の特徴に結び付ける。気候も植物観点から考えると、結構身近なものですよね。
あとは、10こある気候名と雨温図の特徴を覚えるだけですね(笑)